ビールの製法
ビールの多くは、大麦の麦芽を主原料とし、副原料としてアサ科のホップやトウモロコシ、米などが使われています。
また、小麦やライ麦の麦芽でも製造は可能です。麦は発芽の際にアミラーゼという酵素を作り出し、そのため、麦芽を多く使用すると甘みやアルコール度数が上がりやすいようです。
発酵過程に入る前に麦芽の成長を止めるために加熱。このことを焙燥といいます。麦芽を強く焙煎することによって、ビールの色は濃くなり、風味も変わります。
その後、麦芽を粉砕し、湯に入れて糊化させ、この過程で麦芽中にあったデンプンが変質、酵素によって低分子の糖分(麦芽糖)が生み出せるようになるのです。
糖分などが湯に溶け出したものを麦汁といい、糖化が進むと麦汁は黄金色の液体に変化します。この麦汁をこしてからホップを加え、煮沸します。
ホップを煮沸することでビール独特の苦みを生み、風味を出します。煮沸した後は発酵過程に入り、酵母(イースト菌)によって麦芽糖は分解され、エタノールと二酸化炭素が発生。
そして、熟成後に酵母の活動をおさえるために、低温殺菌という60度前後で加熱されます。この熱処理を行わずに特殊なろか装置で酵母を取り除いたものが生ビールと言われるものです。
ただし、この呼び方の基準は日本のものなので、国によって異なると思います。また酵母を完全に取り除かないビールもあります。
この他にも、醸造過程で果汁などを添加したフルーツビールや香辛料を添加したスパイスビールなどもあり、ヨーロッパの方ではポピュラーなビールになります。